夏至 Ⅰ・・・魔法の一日
北半球で、昼間の時間が一番長くなる一日・・・【夏至】
北極は一日≪白夜≫が続き、南極は≪極夜≫になる。
この日、太陽は黄道の最高点に達し、これを境に今度は下降してゆく。
今年2010年は、6月21日である。
古代から、この日は魔術的な力が働く日として、
多くの古代文明が特別な儀式を執り行っている。
古代ローマ時代、【夏至】と【冬至】には、
【Fors Fortuna】【Sol Invictus】という太陽崇拝の祭りが盛大に行われた。
奴隷や平民でされも、大騒ぎの許される一日である。
多産・結婚・子孫繁栄を願い、身を清め、かがり火をたき・・・
いわゆる、<合コン><婚活パーティ>が開かれるのである。
だから西洋は昔から<ジューンブライド>なわけである。
古代ギリシャの歴は【夏至】から始まっていた。
古代ケルトのドルイドは、ストンヘッジを建て、夏至の太陽と一日向き合った。
スコットランドやアイルランド古墳のには、ような遺跡があり、
【夏至】の日の太陽だけが、その奥深くの一点を照らすものもある。
北欧では、この日は太陽を寿ぎ、恋をはぐくむ日ということになっていて、
男女入り乱れて<ミッドサマーポール>(メイポールと同じ)を建てて踊り明かす。
日本でも<大祓いの儀>が行われ、<茅の輪くぐり>を行う。
<茅>は生命力が強く、それにあやかって子孫繁栄を願ったのである。
イチジクの田楽を食べる習慣もある。
イチジクは用の東西を問わず、子孫繁栄のシンボルである。
ケルトの妖精伝説が残る地域では、この【夏至】の日は魔法の一日でもある。
妖精の住む"あちらの世界"と人間が住む"こちらの世界"の間の扉が開くらしい。
だから、この日は妖精がそこらへんに現れる。
そういえば、シェークスピアの『夏の世の夢』も、この一日の出来事だった。
アイルランドの三大宵祭りは・・・
5月1日<メイデイ>、6月24日<ミッド・サマーデイ>
そして、11月1日<ハロウイン>
ケルトの世界では、この3日間だけ、あの扉が開くそうだ。
普段は、ハリー・ポッターのように、パディントン駅の9と3/4番線ホームから
行ったり来たりしているらしいけれど。
だから、ミッド・サマーデイには、野原に出かけよう!
運が良ければ、そして心がきれいなら、野原に開かれる"フェアリーマーケット"で
買い物をするかわいい妖精を見ることができる。
薔薇の花弁が散ったら、【夏至】の日は拾ってはいけない。
もしかしたら、散ったばかりのオールドローズの花びらを棺にして、
妖精のお葬式も見られるかもしれないから。
古代から、この日は特別な魔法の一日だったのだ!!!