≪インナービューティソリューション≫が終りましたので、何とか時間を作り、
ブログの更新です！

今日は、≪バラ≫のお話。

　　『おお５月の薔薇よ。愛しい乙女。
　　　優しい妹　かわいいオフェーリア』　　～シェークスピア【ハムレット】より
　
これは、恋人ハムレットに父親を殺され、気が狂って死んでゆく妹オフェーリアに
語る兄レアチーズのせりふです。

≪５月の薔薇≫・・・それは一足先に咲き、はかなく散って行く薔薇の花。
オフェーリアのように、可憐ではかない、純真無垢の乙女の象徴です。
６月、特に今年は異常気象で、世界各地の薔薇は、５月から咲き競ったようです。
実家のバラ園にも、色とりどりの薔薇が咲き乱れ、一番美しいt期を迎えました。
今でこそ、薔薇は華やかで、薫り高く、女王のようですが、
古代の薔薇は、実はとても質素でした。

旧約聖書・雅歌の中には、よく『シャロンの薔薇』という表現が出てきます。
これは、恋する男女が交わす詩歌です。
ですから、西洋文化では、『シャロンの薔薇』といったら、
恋に酔いしれ盲目となった乙女の象徴として、映画や小説のせりふによく使われます。
旧約の時代から薔薇は、"恋"や"愛"の象徴だったわけです。
この頃地中海沿岸に咲く薔薇は、一重で、今のクリスマスローズのような
いまどきの派手な薔薇とは似ても似つかない代物。
この薔薇は、アリア様があるいた道端に、次々咲いたといわれるもの。
その花を摘んで花輪を作り、古代の人々は、マリアさまへの祈りのときに使いました。
これが、≪ロザリオ≫・・・そう、ROSA：薔薇が語源でできた言葉です。

薔薇は人類のここぞという歴史の節目に必ず登場します。
例えば、ローマ時代、エジプトの命運をかけたクレオパトラとアントニウスの出会いの時。
年増で子持ちの再婚というクレオパトラ。
シーザーの後に戦利品もとめてエジプトに押しかけてきたのは、
いまやローマ一の将軍となったアントニウス。
クレオパトラは、なんとしてもアントニウスを手なづけたいのです。
彼女は、初対面の場に、船上という特殊な場を選び、用意周到にことを運びます。
アントニウスが舟の天幕をくぐると床一面の薔薇の花びら・・・むせ返る香り・・・
その花びらを掻き分け掻き分け進むと、舞い上がった花びらで、
さらに薔薇の香りが立ち込めて・・・・・・・・・・・・・
薔薇には殺菌効果、鎮静効果と共に、恋する気分にする効果が絶大にあります。
さすが、世界一の教養を身につけた女王！！
奥座の彼女の元に辿りつく頃には、
荒くれ将軍アントニウスはただの恋する男になっていました。
この出会いが、エジプトと、ローマの行く末を決定するのです。

この出会いで、地中海全てを手に入れたのが、初代皇帝アウグストゥス。
『パスクロマーナ』といわれた幸せなユリウス家の治める世界が終焉を迎える頃、
皇帝ネロご自慢の『黄金宮殿』の八角の間の丸天井からは、回転するたび、
薔薇の花びらが舞いおり、人々は薔薇に埋もれて宴会を繰り広げました。
夢のまた夢･･･こんな時代は永くは続きませんでした。

６月１７日、薔薇に埋もれて鎌倉サロンがグランドオープンします！！
本来は５月半ばにグランドオープンパーティの予定が、
工事の遅れで、１ヶ月以上延びたのです。
私は、物事には、『時』というものがあると思っています。
工事で１ヶ月遅れて、オープンが６月になったのも、
それがオープンにふさわしい『時』だったのでしょう。
ROSARIUMとは、古代ラテン語で、ご主人が自ら育てるような小さな薔薇園のこと。
１８年前、私のサヴォアール･ヴィーヴルのサロンに、この名前をつけたのも、
生徒一人一人を丁寧に育て美しい薔薇を咲かせたいと言う想いからでした。
今回の鎌倉サロンは、鎌倉から、本当の文化サロンが生まれ育ち、
広まってほしいという気持ちから、始めたこと。
５月スタートでは、まさに『５月の薔薇』になってしまっては困ります。
６月の薔薇のように、鎌倉サロンが輝いて、
皆様の心の潤いとなる場に成長してほしいものです。
遅れ遅れて、この日しかない！と決まった１７日は、
偶然にも、私の５３歳のバースデイ。
当日、鎌倉サロンは、色とりどり何百本もの薔薇で埋まります！
薫り高いオールドローズやイングリッシュローズで、
まさに文化の世界のスタートです！！

皆様、是非、一度鎌倉サロンに文化を楽しみにいらしてください！
鎌倉サロンは、いらしただけで、きっと心の中から美しさが磨かれる
そんな空間です！！！